子どもの頃、両親が実家で落ち葉を集めて堆肥をつくったり、野菜を作ったりしていて、週末は一緒に畑に行くこともよくありました。

週に2度ある可燃物回収のタイミングで生ごみをごみステーションに出すのですが、水分を含んだ袋はずっしりと重たい。
毎週重たいゴミを出すことになんとも言えないモヤモヤした気持ちを感じるようになり、生原商店のブルーシートで作られたバッグタイプのコンポストキットを購入し、コンポストを始めました。

実際にコンポストを使い始めてみると、日々料理をするから当然生ごみも出るわけで、バックがすぐにいっぱいになることに気づきました。

ちょうど同じころ、近所のおじいさんが近くに空いている畑があるからやってみないかと声をかけてくださり、家族で野菜作りを始めることになりました。
家庭で作った堆肥を自分の畑に持っていき野菜を育てるのは子どものとき以来でしたが、土に触れるのはなんだかいいものだとも久しぶりに感じることができました。

コンポストは土をつくるものだからいつかは土に還ってもいい。

完成されたものにせず、使う人自身で組み立ててもらい、自由にアレンジして楽しんでほしいという思いから、釘やビス、工具を使わなくても組み立てられる仕組みにしています。
また、生原商店のコンポスト基材は広島由来のものにこだわっているので、コンポスト本体も県産の間伐材を使用しています。

土づくりは、野菜づくり、ひいては生活において欠かすことのできない大切なはじまりです。

暮らしの循環、いのちの循環に思いを寄せ、日本建築の伝統的な校倉造(あぜくらづくり)より着想を得てデザインした木のコンポストは、原始的な成り立ちでありながら現代の暮らしに溶け込むプロダクトに仕上がりました。

コンポスト循環を通じて土を耕すようにまちが耕やかされていき、緑あふれるより良い社会の形成に少しでも力添えできたらと願っています。

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